久しぶりの山陰

久しぶりの山陰
世は東京が盛り上がっている。リオ五輪も終わって沢山のメダル数に沸き、いよいよ四年後は東京である。私がいた頃の東京は1200万人の人口だと言われていたが、現在では1300万人である。日本では全体としては人口が減少しているにも関わらず、である。都知事選も大変盛り上がっていた。東京都民でもないのにワイドショーなどを見て誰が当選するのかしないのかとしきりに放送している。街や駅が次々に再開発されてその勢いはとどまるところを知らないようだ。こんなに集中させていいのだろうか、と思う。国の機能の一部を地方に移転しようと言っているが、なんだかんだ理由をつけて結局移す気はないように思う。本気モードであれば出来ないことはないと思うのだが。ほんの一部の移転にとどまるだろうと思われる。
 一方で地方の衰退、疲弊は目を覆うばかりである。大阪に住んでいる私ではあるが、


シャッター商店街の恐怖 福知山新町商店街を歩く

ここでも商店街など歩くと空き店舗が目立つ。比較的街中だと思う場所に郊外にありそうな大型のショッピングセンターが建設され、人の流れは大きく変わった。そうなるともう客の争奪合戦に過ぎず、もともと国全体の人口は減少傾向にあり、かつ高齢化が進んでいる中では根本的な解決にはならない。
先日和歌山県の人口が100万人を切ったという報道がされた。人口100万人以下の都道府県は8県ある。
和歌山県山梨県佐賀県福井県徳島県高知県島根県鳥取県である。
今回は 島根県への旅をご紹介したいと思う。
昔の呼び名で10月のことを「神無月(かみなづき・かんなづき」というが、島根県だけは「神在月(かみありづき)」と呼ぶらしい。日本中の神様が出雲大社に集まるからだという。


出雲弁で語る出雲大社は偉大

山陰方面で青春18きっぷを使う場合にはやや乗り継ぎが悪くなるので注意が必要である。
島根県は一大温泉地でもある。「島根県 温泉」のキーワードで検索するとズラッと温泉名が出てくる。
そんな中で今回は小屋原温泉をチョイスした。島根県中部に三瓶山(さんべさん)という山があり、その周辺にもたくさんの温泉地がある。温泉がピンと来ない方でも「石見銀山」という名前は聞いたことがあると思う。その近くだと思ってほしい。また、少々ミーハーと言われるかもしれないが、


ばたでん 一畑電車 全線往復 サンプルムービー

一畑電車、通称「ばたでん」に乗ってみたいという目的もあった。一畑電車を一躍有名にしたのは、中井貴一さん主演の「RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の物語」という映画である。


『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』予告編


今回は新幹線で岡山まで行き、特急「やくも」号で出雲、出雲から普通列車で大田市(おおだし)までの工程である。秘湯とのことで小屋原温泉はもっと山深いところにあるのかなあと想像していたが、標高の低い山を縫うようにバスは走って到着。浴室は4か所、空いていればどこでも入浴できるとのこと。炭酸泉で有名な温泉で、それほど硫黄臭は強くなく、またあまり熱くないのでゆったりと長時間浸かっていられる。少し古めかしい浴槽がいい趣を醸し出している。旅館は洗練されているという感じではなく、庶民的でとても居心地がいい。
次の日は念願の一畑電車、そして出雲大社である。一畑電車の「電鉄出雲駅」は江ノ電と同じようにビルの二階部分にホームがあり、高架駅である。発車後しばらくすると出雲平野が広がる。京都の伏見稲荷のように坂道ではなく、平たい田園風景の中にたくさんの鳥居が並んでいることで有名な粟津稲生神社や、木造ドームとしては日本有数の規模を誇る出雲ドームを見ながら、出雲大社の最寄り駅である「出雲大社前駅」に到着。
帰りにはやはり出雲そばを食べておこうと、入口近くのそば屋に入った。
竹内まりやさんのふるさとでもある出雲市。そのふるさとへの思いを綴った「愛しきわが出雲」という曲がある。歌詞も曲もふるさとへの熱い思いがこぼれるように伝わってくる。


愛しきわが出雲 竹内まりや


歌詞の一部

たとえ離れても 変わらぬその愛で

わが胸を包み込む 優しき故郷
いい歌です。


『島根自虐伝』 WEB用ムービー