夏の移ろい

夏の移ろい

あれだけ「治安が悪い。」とか「宿舎のシャワーが水になった。」とか不具合ばかりを連日報道していたリオ・オリンピックは日本勢のメダルラッシュのもと無事閉幕した。さもブラジルでまともにオリンピックが開催できるのか、と見下しているような気がして、あのような報道姿勢を続けていいのだろうかと思って見ていた。資料を見ると1964年の東京オリンピックもその開催まではバタバタで何とか間に合わせた感じが


1964年東京オリンピック開催までの足跡

する。日本だって世界から「本当に大丈夫なのか。」と懐疑的に見られていたのではないだろうか。
高校野球は栃木県代表の作新学院が優勝して閉幕した。最近は準々決勝と準決勝の間に休みを入れるようになったが、あの炎天下の中で連日激しいプレイを続けることが本当に正しいことなのかといつも考えてしまう。とはいえ、作新学院といえば、江川卓投手は凄かったなあ、と思い出す。怪物とまで言われて、あまり喋らない姿をオーバーラッ


「ただもんじゃない」達川光男が語る怪物・江川卓がスゴ過ぎ

プして頭の中に無口で不愛想なイメージが出来上がっていたが、野球中継の解説や司会を勤める番組での軽妙なトークには驚きもした。
8月も終わりに近づき、「シュワシュワ」っと鳴くクマゼミの声は次第に少なくなって


セミの声 2011 (クマゼミ,ミンミンゼミ,アブラゼミ,ツクツクボウシ)

きたと思っていたら、先日夕刻にツクツクボーシの鳴き声を聞いた。まだまだ暑いけれども季節は進みつつあるんだなあと実感させる。陽が落ちるとコオロギなどの秋の虫の声がする。夏と秋の変わり目の時期、虫も混在時期である。
夏のこの時期にはスキーの話題が涼しくてよかろうと思う。
私自身はほとんどスキーをしたことがないが、学生の頃に松任谷由実さんの「恋人がサ


ンタクロース」という曲がヒットした。後に「私をスキーに連れてって」という映画の主題歌ともなった。最近でも山下達郎さんの「クリスマスイブ」とともに冬の定番曲と言っていいだろう。
1990年代には「シュプール号」という夜行列車があって、スキーヤーをゲレンデへ


南野陽子 JR西日本 JRシュプール号

と運んだが、スキーブームの衰退や、無理やり「シュプール号」をダイヤに組み込むことの困難さもあって、次々と廃止されていった。そういえばあの頃は、電車の吊り広告やテレビなどで大々的に「シュプール号」を宣伝していたが、いつの間にか姿を消した。
恋人がサンタクロース」が言わばスキーブームを作ったと言っていいだろう、その松任谷由実さんが新潟の苗場スキー場で毎年コンサートを開催している。
その新潟に、スキーが目的ではなく月岡温泉に行くことと、恥ずかしながら未だ乗ったことのなかった二階建て新幹線に乗ることを目的として上越新幹線を利用したことがある。


【JR東日本】上越新幹線 E4系 MAX(二階建新幹線)


何やらボックスを持って車内販売する女性を見かけた。二階建て新幹線の場合、階段があり、通常のワゴンサービスができないためこのようになっているのだろう。そういえば売り子さんの体格が比較的大柄な方が多いように思うが、私の偏見だろうか。
新潟から月岡温泉の最寄り駅である「月岡」駅までは、さほど距離的に遠いわけではないが、意外に本数が少なく乗り換えが必要なため注意を要する。帰りにフロントで聞いたところでは、バスの方が便はいいようである。新潟には何度か出かけたが、電車から見る大平原にはいつも感心する。さすがは日本の一大米どころという感じである。
月岡温泉は、回りが田園風景の中に忽然と現れる。


Hello Las Vegas

砂漠の中に突如出現するラスベガスよろしく回りは見事なほどの田園地帯である。
ゴールドラッシュから始まったのがラスベガスなら、石油掘削から偶然温泉が出てきたのが月岡温泉である。今でもわずかに石油成分は出るらしいが、硫黄の成分が日本でも有数であり、硫黄泉にありがちな刺激が少なく肌にやさしい硫黄泉として女性に人気とのこと。
圧巻だったのは食事で、出てくるものすべてが美味しい。帰りに立ち寄った「へぎそば」も最高だった。


塩沢 やぶそば   へぎそば


因みに二階建て新幹線は、走行スピードに限界があることや、騒音、空気抵抗などの問題で消えゆく運命にあるとのこと。特に眺めの良い二階部分に乗るチャンスはそう多くないかもしれない。